《MUMEI》
―空
扉を開くと、青。

青い青い空が続いている。

空は、昨日のことがなかったかのような気持ちにさせてくれる、唯一の大切な存在。

僕にも、降り注ぐ、優しい光。
暖かい光が、僕を照らす。


「…中学2年生…か…。」


ぽつりと発した言葉に返される言葉はない。
勿論、期待などしていない。


太陽に、開いた手をかざすと、隙間から眩しい線が降る。

まばゆさに瞳を細めた。


―今日は、始業式だ。


「…行ってきます…母さん…。」


音のない家から、少しずつ離れてゆく。


青い空にも、癒すことの出来ないものが、たくさん、ある。


でも、それでも僕は、

―空が好きだ。

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