《MUMEI》

   〜麗羅視点〜


栄実と海が去って行くのを見えなくなるまでずっと見送った後で、私は自分の部屋へ戻った。

ふぅ・・・。

私はため息混じりに息をついた。

"栄実また学校でね"・・・か。

実はあの言葉が自分の口から出て1番驚いたのは私だったりする。

去っていく栄実の後ろ姿を見たら、頭で考えるより先に言葉が出てた。

でも私の本心であることは間違いない・・・。

とっさに言った"またね"に込められた意味。栄実に伝わったかな・・・?

もし伝わってなかったら今度はちゃんと私の言葉で伝えよう。

私は、ぎゅっと唇を噛みしめた。

・・・・・よしっ!

私は気合いを入れ、すくっと立ち上がった。

リビングに向かい、みんなと食べた昼食の片付けを始めた。

栄実を元気づけるために作った昼食は、失敗だったかな・・・?

そんなネガティブな考えが頭をよぎる。

栄実の満面の笑み見たかったな・・・。1人で洗い物をしているとどんどんネガティブな考えが浮かんでくる。すると

ピンポーン――。

あれっ誰だろ?インターホンが鳴らされ、私は玄関に向かう。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫