《MUMEI》
人生の遅れ
昼休みになって、のんちゃんと学校の近くの喫茶店でランチをすることにした。


「あのね昨日、鈴木とキスしちゃった!?」


早速、本題から。


「そうなん!土曜は何もないって言うてたのに。良かったやん」


のんちゃんも面倒な相談事が一つ減ったと喜んだ。


「で、鈴木君は昨日の夜は泊まらはったん?」


「いや・・・帰った」


だってキスしただけだもん・・・


「はぁ?キスだけ?」


「う、うん」


そんな言い方されると、嬉しさも半減なんだけど。


「ミキティは意外にウブやねんなぁ・・・」


のんちゃんが少し驚いている。


「え?なんで?」


「だってキスだけで、そんな喜ぶなんて。私はてっきり最後までやったんかと思ったわ。」


うっ・・・


「泊まって欲しかったけど、言えなかったの」


「言うも何も、鈴木君から言いそうやのになぁ」


だって学校だから帰るって・・・


「とにかく前進したしいいの!」


ウキウキ気分で報告したのに、水をさされた気分だわ。


「早く次に進んだらええね」


次かぁ・・・


「でも私、経験ないからどうしたら良いのか・・・」


「え?」


のんちゃんが更に驚く。


「ミキティは処女なん?」


え?


「うん・・・」


そんな天然記念物を見るような驚き方しなくても。。。


「処女ってまずい?まずい?まずいの?」


自分が人生の遅れをとっているような気がして焦る。


「あ、勘違いせんといて!えっと要は見た目はモテそうやのに、今まで、そういう彼氏がいーひんかったのが不思議やなぁってこと。」


モテそう!?
全然モテないんですけど・・・


「もしかして鈴木もビックリするのかな・・・のんちゃんみたいに。」


「ビックリされるの嫌?」


今みたいな驚き方されるとね・・・


「それやったら初めてじゃない演技したらいいやん!」

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