《MUMEI》
平日の夜なのに
バイトが終わると鈴木から携帯に不在着信があった。

折り返し電話をすると、


「今、タツヤと飲んでる〜」


酔っ払いの鈴木が出た。


「どこで?」


「先斗町!今から来てよ」


今から!?
昨日は、明日学校があるとか言って帰ったくせに、平日は時間を気にせずに飲むなんて!!!
ムカツク。


「いやだ。行かない」


「えぇー。来てよ。会いたい!」


完全に酔っ払いだ・・・
調子の良いセリフが余計にムカツク。


「ダメ。私は今から帰るの!」


「来ない?」


鈴木が甘えた声で、もう一度聞いてくる。


行こうかとも思ったが、行かないと一度言った手前、意地を通す。


「行かないって言ってるでしょ。それより、あんまりお酒飲まないでね!またアル中になるよ」


私がお酒のことを注意すると、鈴木は嬉しそうに「はーい」と返事をして電話を切った。


タツヤ君と飲むくらいなら、私のとこに来てよね(ムカッ

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