貴方の中の小悪魔
を知る神秘の占い

《MUMEI》
自分の名前
頭痛で目が覚めた。
そこは、ベットの上だった。どうやら気を失っていたらしい。頭に手をやると、額に怪我をしたらしく包帯が丁寧に巻いてあった。起き上がり辺りを見回したが、そこは病院とはちがった。家具が少なく、少々散らかった古いレンガ作りの家の一室らしかった。
そのとき不意に、扉がギィィーという音たてて開き、若い男が入ってきた。男は
『やっと気がついたかディス!三日も目が覚めないから心配したぞ!』
と笑顔で言いながら近づいてきた。
(ディス?俺のことか?)
自分の名前が思い出せないという変な感覚に戸惑い、黙って頭を抱えていると、男は
『大変だったろう・・・。頭から血を流してぐったりしているお前が、親父さんに背負われて来たときはびっくりしたよ。頭の具合はどうだ?やっぱりまだ痛むようだなぁ?』
『ああ。』
ディスはそう応えると、少し間を置いて男にこう問いかけた
『俺は誰なんだ?』

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