《MUMEI》 一安心「あの〜、私、明日も来てもいいんですか?」 クビじゃないんだろか? 「何言ってるの! これからもどんどん働いてもらうわよ!」 咲子さんは私の不安を笑い飛ばしてくれた。 「それに!」 ? 咲子さんは、胸を張って言った。 「俊君のマーメイドちゃんをクビにしたら、それこそ『シューズクラブ』と縁が切れちゃうわよ! そっちの方が、大打撃だわ!」 「はぁ…」 (大打撃って…) 「たった四人の弁当でも、貴重な収入源ですけど… 大袈裟すぎませんか?」 「甘いわよ! 蝶子ちゃん!」 ? 私が咲子さんに『何が』と訊こうとした時。 カランカラン 入口のベルが鳴った。 「「いらっしゃいませ」」 私と咲子さんは反射的に営業スマイルを作って挨拶をした。 (仕事仕事) 私は慌てて食器を片付けて、厨房に入った。 そして、私は咲子さんの言葉の意味を理解した。 この時間帯のお客様はほとんどが女性で、聞こえてくる会話の内容から、彼女達が『シューズクラブ』のお客様だという事がわかったからだ。 彼女達わざわざ『クローバー』まで足を運ぶには、理由があった その目的は… 前へ |次へ |
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