《MUMEI》
実は今
それにしても財布がないと不安だし困る。


「ほんまは学校で渡したかってんけど、私、明日は用事があって寝屋川に帰るねん」


えっ!じゃぁ、いつ渡してくれるのよ!?


「ど、どうするの?私??」


「知らん」


笑いながら嬉しそうにリナさんが言う。


「し、知らんって!!しかも楽しそうに。意地悪ー」


リナさんの笑いが大笑いに変わった。


「だって、しゃぁないやん。忘れるほうが悪いわ。プーッ」


「すっごい無責任。えぇー、どうしよっ。どうにかしてよ!」


私がうろたえているのと反比例して、相変わらずリナさんが大爆笑して言う。


「ほんでな実は今、タツヤ君と鈴木君と合流して三人でいるから、鈴木君に渡しとくわ」


それ先に言えよ(怒


「それ言うための電話やってん。あ、鈴木君に代わるわ」


ていうかなんで合流してんのよ。


「もしもし?俺。後で行くからね〜。じゃぁねーバイバイ。ガチャッ」


切れた・・・
しかも鈴木は明らかに酔っ払いでムカツク。


はっと我に返ると、裸で立っていることに気づく。


わたし、こんな状態で財布を忘れた話して・・・
カッコわるぅー


さむっ。
湯冷めしたかな?

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