《MUMEI》

『シューズクラブ』に行けないけれど、せめて…

という乙女が、この時間帯、『クローバー』に訪れるのだと、慌ただしくホールと厨房を行き来している咲子さんが教えてくれた。


(そんなに皆好きなんだ)


確かに、俊彦は、美形だけど


(でも、変態だよ?)


足が綺麗なら、他はどうでもいい奴だ。


雅彦は、まぁ、あの外見は、かっこいい方だと思う。

(でも、キモイよ?)


大人っぽいように見えて、子供みたいに表情がくるくる変わるし、仕草も子供っぽい。


後の二人は…


(ダメだ)


…顔が思い出せない。


弁当の内容で呼んでたから、名前も知らないし。


(まぁ、いいや)


『クローバー』が儲かって、咲子さんも喜んでるし。

私も、『クローバー』が繁盛した方が、嬉しい。


そして、午後五時。


『クローバー』は休憩時間に入った。


ここで、私は夕飯の買い物と、『夜の仕入れ』に出かけた。


何となく、『シューズクラブ』に近付きたくなかった私は、お肉屋に行くのを断念して、『クローバー』に近い、『スーパーまるやま』に行った。


ここは、鮮魚と新鮮な野菜が豊富にある。


買い物を済ませた私が店を出ると

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