《MUMEI》
ムリな隠し事
「咲月、どうしたの?」

「ぇ」

「食欲ないみたいだけど──大丈夫?」

「あ、うんっ。だいじょぶだいじょぶ!」

はぁ‥。

嘘つくのって気分悪いな‥。

白鴎 昴──‥

あいつのせいなんだから‥。

「‥咲月?」

「!?」

お母さんがあたしの額に触った。

「熱はないみたいね。一応シロップ飲んどく?」

「い、いらないって。ほんとにだいじょぶだから」

シロップ薬って‥。

咳出てないし‥それにもう6年なんだよ、あたし‥。

「学校で何かあったの?」

「ぇ゛」

「ふふっ、図星みたいね。咲月はすぐ顔に出る」

「‥‥‥‥‥」

やっぱお母さんには隠せない‥か。

「あのね、お母さん」

あたしは、思い切って話す事にした。

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