《MUMEI》 類は友を呼ぶ「感動的な再会じゃなくてすみませんでしたね」 「うん、びっくりした。 それに…」 和馬さんは私をジロジロ見た。 「どうせ、美人じゃないですよ」 私は、カルアミルクを飲み干して、咲子さんにおかわりを頼んだ。 私は、すっぴんで、髪型も男の子のようなショートヘア。 身長も、160前後と、至って普通だった。 大きめのTシャツと、太めのジーンズのお陰で、体型もごまかしていた。 自分でもわかっていた。 『今の自分は、可愛くない』と。 でも、『今の』私は… これ『が』良かった。 「いや、それはまだわからないけど…」 和馬さんは、真剣な表情で私を見つめた。 「な、何ですか?」 私は慌てた。 「蝶子ちゃんの、噂のマーメイドの足がみたいな」 (顔近い!) 「嫌です!」 私は立ち上がろうとしたが 「見たいな、俺も」 (ちょ、ちょっと…) それまで無言だった孝太さんが、立ち上がり、私の両肩を押さえて座らせた。 「よ、酔ってます?」 確か 和馬さんは生中四杯 孝太さんは冷酒を六合 飲んでいた。 「ん〜、そういう事にしとくか。な?孝太」 前へ |次へ |
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