《MUMEI》

(そういう事って…)


酔ってない。


孝太さんは、和馬さんの言葉に頷いた。


「さあて、ちょっとごめんね?」


(ちょっ…)


「はい、そこまで!」


ゴン!


「痛っ…」


私のジーンズをまくろうとした和馬さんの頭を、咲子さんがお盆で叩いて助けてくれた。

「咲子さん…」


咲子さんが睨みつけると、孝太さんも手を離した。


「もう、酔っ払いの相手はいいわよ。

先に上がって休みなさい。
お疲れさま」


「お先に失礼します」


私は慌てて厨房の奥にある階段を駆け上がり、自室に入った。


足の話になった時の和馬(もう『さん』は付けない!)の表情と


私を押さえた孝太(和馬と以下同文!)


(間違いない)


あの二人も…


俊彦と同じだ。


興味があるのは


足だけだという


変態だ


(絶対、見せるもんか!)


私は、心に誓った。


それから私は、触られた感触を消したくて、長めにお風呂に入り…


ベッドに横になった。

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