《MUMEI》

―――…チン………。


僕らは軽くグラスを合わせた。



「磯野くん、今日は誘ってくれてありがとう…。」


「フフッ……どういたしましてさ。

僕こそ、こんな素敵な夜をカオリちゃんと一緒に過ごせて幸せだよ…。」


「まあ、磯野くんたら…ウフ…。」


彼女の頬が赤らんだ…。


お酒のせいなのか、それとも僕のモーションのせいなのか…?


僕は彼女の美しい横顔を眺めて、その紅潮の意味を推測することを楽しんだ…。

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