《MUMEI》

イタズラ電話。


警察と言われても、身に覚えなどなかった。
不安が、
目覚めぬままのアタマにのしかかった。
鈍い動悸を感じた。

実家に確認の電話をする。

家族の誰も、電話には出なかった。

水曜日で両親は仕事が休みのはずだし、兄は病気を患っていて外出は容易ではないが、電話には出れるはずだった。
繰り返されるコール音。
洗面所から聞こえる日常。

漠然とした陰。

「警察」というキーワードだけを残し、オレは意味不明な不安を覚えた。

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