《MUMEI》

ただ、コールは冷たさを増幅させ、電話機のむこう側で鳴り響いているだろう実家の、灰色を施した電話機を想像した。

ただ漠然と想像していた。

電話は繋がらなかった。

そして事実、実家にかける電話はコレが最後となった。


このコール音が鳴り響く中、実家には大勢の捜査官がいた。

家族いがいの見知らぬ人達で、実家の部屋という部屋は物々しく蠢いていた。

14時30分。

全てが脆く消えた。

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