《MUMEI》 邸宅の中へ「昴なら部屋にいますよ。どうぞお入り下さい」 「ぇ」 邸宅の前で立ち尽くすあたし達に声をかけてきたのは、着物を着た女の人だった。 「申し遅れました‥。私は昴の伯母でございます」 「白鴎 昴の伯母さ‥伯母サマ‥ですか」 「はい。皆さんは──昴の学校の生徒さんですよね」 「あ、はい。あ、あたし鈴夜 咲月です。こっちが家族の來斗で──」 「ウチは望月 きなこいいます」 「和泉 桜です」 「和泉‥」 「どうか──なさいましたか?」 「もしや──あの花屋敷で有名な‥?」 「はい、そうです」 「そうでしたか。──ああ、お待たせして申し訳ございません。どうぞこちらへ」 前へ |次へ |
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