《MUMEI》

母は手先が器用だった。
紙粘土で作る人形はどれも美しく完成度が高かった。

人形達が見守る中、捜査官達は淡々と職務をこなしていた。

お願いだから、これ以上母の部屋を荒らさないでくれとも思った。
母や父と過ごしたこの部屋を、思い出を荒らさないでくれと。

手づかみの華やかな記憶だけを残し、オレのいち部分もあの部屋の中で枯れていった。

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