《MUMEI》

楽しい時間は過ぎるのが早い…。


窓の外では、宝石を散りばめたようなTOKYO-BAYの夜景の中で、一際美しかったレインボーブリッジのライトアップが落とされる…


それは深夜零時をまわったことを示していた…。



「磯野くん……今夜は遅くなってもいいの?」


「いいさ、夜は長いんだ…。」


「でも、奥さんが心配するんじゃない?」


「大丈夫だよ…。仕事で帰らない夜なんて、しょっちゅうさ…(笑)」


『遅くなる』…ではなく『帰らない』…


言葉の端々に陰語を含ませた言い回しで、僕の意図を彼女に発信する…。

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