《MUMEI》 カオリちゃんは更に頬を赤らめた。 「ウフ……悪い人ね…。 でも、あまり奥さんを悲しませちゃダメよ…。」 「あぁ、分かってるさ。 カオリちゃんまで、姉さんみたいなこと言うんだな…」 僕は苦笑いを浮かべ、そっと彼女の手を握った…。 「君と逢ってる時くらい、妻のことを忘れさせてくれよ…。」 「そうね………ごめんなさい… でも、私の知らない奥さんじゃないし……なんだか、こうして磯野くんと逢ってるのも、少し後ろめたい気がするわ…。」 「分かるよ…。 君達だって子供の頃は仲良しだったもんな…。」 前へ |次へ |
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