《MUMEI》
キナちゃんの助言
こいつも相当驚いたみたいだった。

小さく咳払いをして、あたし達を見る。

「敵対する者同士が友好関係を築くなんて‥有り得無いよ」

「それはちゃうんやないか?」

「望月さん‥?」

「ウチは──敵対とかそんなん、友達になるんに関係あらへんて、そない思うけど」

「どういう意味だい、それ‥」

「つまりや、友達いうんは自然にお互いひっつくもんやし──」

「それはどうかな‥」

「?」

「僕は人間、彼は狼。どうやって友好を──」

「正直になる事やな」

「正直‥?」

「ホンマの気持ちを出しぃな。ほしたらきっと、通じるはずやで」

「‥‥‥本当の‥気持ち‥」

「ウチが言える事やないけどな、ちぃとは気楽に構えてみ」

「──────」

「ゎぁ‥」

キナちゃん‥何か凄いなぁ‥。

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