《MUMEI》 マネージャー行かなきゃ……。 身体が重い。目が霞んで、ふらふらする。 本当なら、流理にいて欲しかった。 でもまだ話す時ではないと思う。 流理が大切だと思う程、余計言い出せない。 『春日有希』になって欲しいだなんて――…そんな身勝手なこと。 *** 「有希、大丈夫か?」 「……え?」 「最近疲れていたみたいだったからさ。やっぱり仕事減らそうか?」 言葉に詰まった。 ――オレは春日有希じゃない。勝手に決められない。 でも有理のあの状態で、こんなハードスケジュールをこなせるだろうか? それより有理を病院に連れていかないと…。 双子だからわかる。 有理の痛みも苦しみも……。 「有希?」 「僕のこと……見てたんですね……」 「当たり前じゃないか!いつも一緒にいるんだから」 「そっか……。そうですよね。すみません」 相談はできないけど、この人も味方なんだよな。 有理も少しくらい頼ればいいのに。 前へ |次へ |
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