《MUMEI》 「会ってないよ」 別れてから一度も連絡も取ってない。 「ま、別れたんだし当たり前か・・・変なこと聞いてごめん」 千夏が少し気まずそうな顔をして謝る。 「いいのよ。気にしないで」 「ただね・・・太一となら愛加は復活するのかなって思ったから。それだけ」 太一と復活・・・ 千夏と話していると佐久間たちが支払いを済ませて店から出てきた。 「ごちそうさまでした♪」 千夏と二人で男性二人にお礼を言う。 「こういう時だけ愛想よくしても駄目だよ〜」 佐久間が愛加に絡んでくる。 「なんだかんだで二人は仲良いんだな」 高橋さんが私と佐久間に向かって言う。 「だから言ったろ?俺たちラブラブなの」 「はいはい。じゃぁ俺と千夏ちゃんは二人で帰るから、あとはお好きなように」 そう言って高橋さんと千夏は二人で消えていった。 「高橋も俺を理由に千夏ちゃんを持ち帰ろうなんて、まだまだだなぁ・・・」 佐久間が呟いたセリフを聞いて私はイラッとした。 前へ |次へ |
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