《MUMEI》 捜査が進むと、写真や書類の確認の間に時間が出来た。 オレは隣にある自分の部屋に入った。 この部屋で誰かが寝ていた形跡があると、警察官は言っていた。 おそらく、父であろう。 落ち着けず、宛もなく近場のものを手に取った。 オレがこの家から出た後、この部屋は母や父の物で溢れてきた。 たまに帰るぐらいの息子の部屋は軽い物置となっていた。 なかでも毎回帰る度に増えていく、母の趣味となった韓流スターのカレンダーやら本などが、オレの部屋に新しい風を吹かせていたものだ。 前へ |次へ |
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