《MUMEI》

捜査官が慌ただしく動きだす。

家の前に白いバンが止まる。

外に出ると空は黒く、哀しいまでに終わりのこない夜が、見慣れた風景を呑み込んでいた。
わすがに雪が残る庭の横を、白いバンから数名の捜査官がバタバタと降りてきた。

彼らは科学捜査班だと名乗った。

新たに到着した数名の科学捜査班と、朝から奮闘する10名程の捜査官が、狭い部屋の中を行き来している。

オレが覚えている限り、この家にこんなにも大勢の人達が訪れてきたのは初めてだと思う。

それを思うと悲しさと虚しさが襲ってきた。

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