《MUMEI》

もう何度も味わったじゃないか。

この、心がグラつく思い。

やりきれない事が多すぎて、アタマが整理しきれない。

やがて、本格的な科学捜査が行われ、指紋の検出や血液反応を調べるため、あらゆる部屋のあらゆるモノ全てに粉状の薬品やら液状の薬品やらを吹き付け、捜査官たちはその反応を確認してまわった。
オレは捜査の邪魔にならない様、台所にいた。

見慣れたテーブルに4脚のイス。


オレが高校2年の時に、家族6人でこの家に引っ越してきてから、ずっと変わらない食卓の風景。

学生の時も成人の時も、時々帰るこの身になってもここで、この食卓を皆で囲んでいたのだ。

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