《MUMEI》 皮肉な事に難航する捜査。 床は冷たさを増し、足元がジンジンと麻痺してくる。 しばらくすると、捜査官から呼ばれ祖父母の部屋に移動した。 そこには、先程まではなかった敷き布団が置かれていた。 両親の部屋の。 母のカタチなす赤が残る敷き布団だ。 オレは正直、 これは当然だろうが、その光景に怒りがわきでていた。 なぜ、わざわざ祖父母が居る仏壇の前に置いているんだ、と。 部屋の広さの関係もあるのだと思う。 仕方ない事だと思う。 やりきれない感情が押し寄せる。 これが現実なのだと、何度目かの無理やりな理解をし、なんとか自分自身を納得させてみた。 込み上げる思いは、慣れはじめた絶望だった。 前へ |次へ |
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