《MUMEI》 「ぷっ、サラっと、ひどいこと言うな、松島。成長してないって。」 私は百花の言葉より、先生に笑われたことの方に、カチンときた。 確かに3年間で3センチしか身長も変わらないけれど。 「ち、違いますよ。奏は小学生の時から、小さくて可愛いかったから。」 弁解が余計傷つく・・・ 「おまえら、同じ小学校だったの?」 「はい。私が先月まで通ってた、女子校の小等部です。」 先生は机の上に腰を下ろした。前の学校なら、間違いなく注意される行動だろう。 「じゃあ何?松島も家庭の事情ってやつか?」 また失礼なことを平気で聞いてくる。 「親が離婚して・・・。」 百花は言いにくそうに、渋い顔をした。 「あの。どうしてそんなこと聞くんですか?」 思わず口を開いていた。あまりにも無神経すぎる。仮にも先生なのに。 「変な想像されるより、本当のことを聞いた方がいいだろ?」 無表情に答える。 変な想像って・・・? 私が不思議そうしていると、先生はすかさず答えた。 前へ |次へ |
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