《MUMEI》

僕はトリプルのスコッチにアイスロックを浮かべたグラスを傾けた。



「奥さん……花子さんは元気なの?」


「あぁ、相変わらずさ……

…花沢さんは……

姉さんと結託して、毎晩のように六本木で豪遊してるよ。(笑)」


僕は思わず苦笑いを浮かべて、シガーに火をつけた…。


「ウフ……変なの(笑)……どうして結婚してるのに花沢さんて呼ぶのかしら?」


「可笑しいかい…?」


「えぇ。奥さんなら、ちゃんと名前で呼んであげるべきだわ…」


「………愛してないからかもな…。」


「え…?」

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