《MUMEI》
*契約*
「どうされましたか?」

「うるさいっ。お前の世話になどなるものかッ」

「それは困りましたね‥」

「‥?」

「僕には逆らえないはずですが、瑠果お嬢様?」

「何だと‥ッ!?」

瑠果は驚いた。

そして、しばらく固まってしまった。

「これはご主人様との契約に基づいています。いくらお嬢様とはいえ、変える事は不可能かと」

「な‥」

「ひとつ──提案なんですが」

「‥何だ?」

「お嬢様、僕と契約してくれませんか?」

「!?」

「いいですよね、瑠果お嬢様?」

瑠果は口を開きかけたが、何故か『嫌だ』とは言う事は出来なかった。

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