《MUMEI》

「商店街の同年代の連中皆呼んじゃった!」


エヘヘと、俊彦が笑った。

「「そういう事は、事前にちゃんと言いなさい!」」

私と咲子さんは、同時に叫んでいた。


「え? だって、驚かせたかったし…」


(この馬鹿!)


目を丸くする俊彦に、私は呆れて言葉が出て来なかった。


そのかわり、咲子さんが私の言いたい事を全部言ってくれた。


「商店街のあんた達と同年代って…

雅彦と蝶子と同い年は他にいないけど

あんたと同い年って軽く十人はいるじゃない!

それに、前後の連中を合わせたら、この店、店員オーバーでしょ!

夜の仕込みはそんなにしてないし、どうすんのよ、この事態!」


「え、えぇ?!」


激怒する咲子さんに、俊彦はタジタジだった。


「「「まぁまぁ、咲子さん」」」


他の三人がスッと立ち上がった。


「何よ!」


咲子さんの怒りはおさまらない。


当然だ。


私の怒りもおさまらない。

「兄貴はともかく、俺達、そこまで馬鹿じゃないよ」

「こら、雅彦!何だ…ムグ!」


「はいはい、静かに」


和馬が俊彦の口を押さえた。


「皆、よろしく」


孝太が合図する。


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