《MUMEI》 *夕食*(奴は一体何を考えているのだ‥?) 紫堂から逃げるように部屋に戻った瑠果は、独りで考え込んでいた。 (そもそも奴は本当に執事なのか‥?──父上は何ゆえ‥) 「お嬢様」 「!?──な、何だッ」 「夕食の支度ができています。どうぞいらして下さい」 「今はそんな気分では‥」 ない、と言いかけた時、運悪く、グゥゥ、と瑠果の腹時計が鳴った。 「ご遠慮はいりませんよ」 「ば、ばか者っ‥私はお前を天宮家の執事だとは認めて‥」 「先程、契約に同意して頂いたはずですが?」 悪戯っぽい笑みを含んだ声で紫堂が言うと、瑠果は渋々扉を開けた。 前へ |次へ |
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