《MUMEI》

「設楽光です。よろしくね。広崎奏さん。」
クールビューティという感じだか、人懐っこい笑顔だった。
私も、笑顔でよろしくと答える。

「めっちゃ可愛いぃ。」

そう言って、彼女はいきなり私を頭から抱きしめた。
「あ、あの?」
「こんな可愛い子がヤスと歩いてたら、1、2年のファンの子に襲われちゃうよ。大丈夫。私が守るよ。」

百花も普通よりは背が高い方だが、彼女は私より20センチ近く高いだろうか。私は彼女を見上げた。

「光と杉田くんと一緒なんて、奏が余計に目立っちゃうよ。」
百花が言った。話し方からすると、百花と彼女は仲良しらしい。
「うちの学年で美人ランキング1位は、ずっと百花だったけど、奏が来たから、美人系部門とカワイイ系部門に分けなきゃね。」

杉田くんは話しを合わせるように頷いた。

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