《MUMEI》

「で、ここが第二音楽室。3年生はあまり使わないけどねー。」

たんたんと光は説明してくれているが、私は周りの視線が気になりそれどころではなかった。

先程、百花に軽く聞いたが、光はかなりの美しいものフェチらしい。
それも男女問わず・・・
百花や杉田くんが仲良くなったのもそんな理由で。

光はバレー部の元部長で、自分自身も後輩の女の子からファンクラブができるくらい人気があった。

一方杉田くんは、生徒会長をしていて、元バスケ部部長。これまた女子に絶大な人気があるようだ。

そんな二人と百花を引き連れ、更に他校の制服の私だから。すれ違う人、後輩、皆が振り返る。視線が痛かった。


「杉田先輩。」

後ろから声をかけられ、振り返ると、真っ直ぐな髪を緩くおさげにした、眼鏡の美少女だった。

「やぁ、成原さん。」

「来月の文化祭に向けて、明日にでも早速生徒会を召集していいですか?」

話しの流れから行くと、生徒会役員だろうか。

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