《MUMEI》 生粋の京都人「違うっ!!!」 母が言わんとすることに気付いた私は焦って遮った。 「え?ちゃうの?あ、それは失礼しました…ホホホホ」 佐久間はポカーンとした顔をしている。 「それよりお母さん!急に連絡もせんと来るなんて、どういうこと!?」 私が母に言うと、佐久間がまた驚く。 「え?関西弁??」 「佐久間さん、何を驚いてはるんですか?まさか知らずに付き合うてるんちゃいますよね?愛加は生粋の京都人でっせ!」 母はまた佐久間に小さな攻撃をする。 「どうでもええやん、そんなこと!それより何しに来てん!?」 私は気が動転して、とにかく口調がきつかった。 「恐いわぁ〜。久々に母親が会いに来たゆうのに…」 ねぇ〜、と佐久間に相槌を求めようとするのが、また腹が立った。 「お父さんは知ってんの?まさか黙って来たんちゃうやろなぁー!!」 「もう落ち着いてぇなぁ。ちゃんと説明するから。そんなカッカされたら、何にも言えへん」 そう言いながら母はバッグの中から扇子を取りだし仰いだ。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |