《MUMEI》

あっという間に部室に戻り、先輩は屈んで俺と目線を合わせる。

「なんで自分で言わなかったんだよ!!」

直接響く声。

「……ご、ごめんなさ……」

怖い、いつもの先輩じゃない。

「されて嫌な事なら嫌って言ってやれ。
それが出来なかったら先生や親に言ってやれ。


辛かったら俺に言え、助けてやるから。」

いつも俺の頭をぐりぐりする先輩の乱暴な腕もこんな風に優しく包む使い方が出来るんだ……。

「卜部先輩……有り難うございます。」

助けるだなんて、初めて人から言ってもらった。

「我慢出来なかったら学校なんか辞めちまえ。
まだ大丈夫なら俺を頼れ!ヤイちゃんには俺が付いてるから。」

先輩は強引な人だけど、居心地の良い強引さだ。

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