《MUMEI》 バーテンがシェーカーを振るリズムが店内に響いていた…。 「――………。」 彼女はじっと僕の横顔を見ている… 「ごめんよ……みっともないとこ見せちゃって…」 「……いいのよ…磯野くん。」 彼女は、強い男が垣間見せる弱さに、うっとりと瞳を潤ませる…。 「私と一緒にいるときは、すべて晒けだしていいのよ………。」 「カオリちゃん………。」 僕は彼女の慈愛に満ちた優しさに、目頭が熱くなった。 その時、不意にシガーの煙が目にしみた。 僕は込み上げる涙をそのせいにして誤魔化した…。 前へ |次へ |
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