《MUMEI》

「わーなんか早朝ってアフリカっぽい」

「意味わかんね」

何か角笛聴こえてきそうじゃん、と返ってくる適当な返事に、こちらも適当に頷く。

つかず離れず、完全にバイト仲間でありそれ以上でもなくそれ以下でもない距離。
毎日会うわけでもない、シフトが合わなければ1週間くらいは顔を合わせない距離。
パイプ椅子に腰掛けて、ブサイクな顔をさらしながら鼻をほじるバイト仲間の横顔を眺めていたこの時、俺は。


これから起こることを欠片も予測していなかった。

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