《MUMEI》
隆志視点
素直に嬉しくて俺は惇をきつくきつく抱きしめた。
――惇に惹かれる程募る罪悪感。
無理矢理男に犯されたのに恨むどころか惇は俺を受け入れてくれた。
そして惇の閉じた瞼がゆっくりと開き、真っ直ぐに俺を見てきた。
「どうした?」
「ん、顔見たくなっただけ」
枕の脇で指を絡めあい唇を重ねる。
そしてそのまま腰を進めゆっくりと躰を繋げていく。
「はぁあ…、ぁっ…、ふぅぅ」
「平気?」
「気持ち、イイ…、動…いて…、あっ!あっ!あっ!あっ!」
「ゴメン、遠慮しねー!」
脚を抱え赴くままに突く。
「好きだよ、好きだ、じゅん、抱きたかった」
「すき、すき、はぁあ―、激しい!アアッ!くるっ!ハアー!躰オカシイ!!」
「おかしくなって、感じて!」
目尻に涙を浮かべだすがそれは恐怖からじゃない事ははっきりと分かる。
素直に乱れる惇が可愛いくて愛しくて、
「イくっ!アアッ!たかし、アアッ!」
頭を激しく左右に揺らし俺の背中に爪をたてる。
「俺も!一緒に!!」
俺が激しく響く打ちつける湿った音。
惇が声もなく反り返り痙攣すると、俺も惇をきつく抱きしめながら奥深くに欲望を放った。
呼吸を整えることさえ忘れそうになる位抱きしめた。
「隆志…、好き…」
俺の背中から惇の手がパタリとシーツに落ちた。
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