《MUMEI》 コトッ…「お待たせしました…」 彼女の手元に4杯目のソルクバーノが運ばれてきた。 しなやかな左手が、そのグラスに伸びる…。 僕は本来その薬指にあるはずのマリッジリングが外されていることに気付いた。 「カオリちゃん…… もしかして、結婚してからも君が働き続けている理由というのも、それなのかい?」 『それ』とは中島との性格の不一致を指している。 キャリア官僚である中島の収入があれば、彼女だって専業主婦でも十分やっていけるはずだ。 僕は、失礼と知りつつ、どうしても聞いてみたくなった。 前へ |次へ |
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