《MUMEI》
*異変*
「分からん‥」

ひたすら悩み抜いた挙げ句、何一つ解決はしなかった。

瑠果は大きくため息をつくと、開け放していた窓を閉めた。

妙な物音が聞こえたのはその時である。

「紫堂め‥今度は何を」

呟くように言い、瑠果は扉を開けて下の階へと降りた。

「紫堂、何をしているのだ?」

音は食堂の奥の調理場から聞こえる。

瑠果は食堂の扉を開き、次に調理場の扉に手をかけた。

だが。

(開かない‥?)

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