《MUMEI》

『またぁ?』

「うん…だって帰ろうって言うんだもん。」


あれから二日連続で。

今日も一葉はあの秀平くんと一緒に帰るみたい。


『かなり良い感じだよね♪好きになったとか?』

「好きな人はいるって言ったじゃん…!」

『だから秀平くんなのかな〜って。』

「…今は違う♪て言うかじゃあサユも一緒に帰ろうよ?」

『ちょっと待って!今はって何?』

「うん、小学生の時に好きだったんだぁ。」

『あ、そういうのはあっさり言えるんだ?(笑)じゃあ今は?』

「…知らない!!」

『一葉〜♪♪』

「デジャブ…。」


とりあえずお邪魔してみる事にした。


秀「あぁ、こないだの♪」

一「秀平、こっちはサユ。同じクラスだよ。サユ、こっちは秀平。3年生ね。て…今更?」

『サユです♪』


ちょっと待てよ。

一葉がこんな特定の男の子と一緒だと困るのは…

篠崎?稲田?

篠崎は一葉が稲田を好きだと勘違いして応援してるけど本心かわかんないし。

一葉の好きな人が稲田じゃないって事は、稲田が一葉を好きって事?

篠崎はめんどくさいから今度稲田に聞いてみよ♪


秀「サユちゃんと一葉、身長おんなじ!(笑)」

『よく…あ、こないだも真治くんに言われたよね〜一葉♪』

一「うん、はは。」

秀「あれ?真治と知り合いなの?」

『はい。かっこ良いですよね!』

一「うん。秀平、友達なの?」

秀「あいつはイケメンだよな〜♪友達だよ、いつも連んでるし。」

一「そうなの?!」
『まじですか?!」

秀「なにその反応。…羨ましいだろ♪」

『羨ましいですっ。』

秀「はは。あ、俺別にあっちの人じゃないからね?(笑)」

一「怪しい…♪」

秀「は?!」

『ライバルかも…♪』

秀「おい(笑)つーかサユちゃんもしかして…。」

『あ、半分当たりです♪』

一「え、半分て?」

『ん?だって本気じゃないもん。かっこ良いし優しいけど、アイドルみたいな感じ♪』

一「そうなの?!」

『うん、一葉の言ってた良い人ってのも分かったけど、恋にまではならなかった♪』

一「そっかぁ…そうなんだ♪」

『…なんで嬉しそうなの?』

一「…別に、内緒♪」


なんだ?一葉。

もしかして…いや、絶対そうだ。

一葉は私に遠慮してたんだよね?昔からそうだもん!


秀「女の話って難しい…な?(笑)」

『ですね〜♪ね?一葉!』

一「え?」



大和。

彼女いるんならもう一葉に構わないでやってね。

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