《MUMEI》 これだけの大人数相手では、咲子さん一人では間に合わない。 私の歓迎会に、私が料理を作るなんて… どう考えても、おかしかった。 「まさか〜!」 和馬が笑った。 「蝶子ちゃんの分は…」 和馬の言葉に、二人の男性が、挙手した。 「『やきとり圭介』の弟・白石祐介(しらいしゆうすけ)と」 「『赤岩』の次男・赤岩勇(いさむ)が」 「「交代で作る事を、誓います!」」 二人は選手宣誓のように、声を揃えた。 (相変わらずテンション高いな) 二人は俊彦と同い年で、商店街で、『紅白漫才コンビ』と言われていた。 …と言うか 俊彦と同い年の人達は、皆、個性的だった。 「…ボランティアでしょうね?」 「「もちろん」」 咲子さんの言葉に、二人は頷いた。 「わかったわ」 咲子さんの許可が出た瞬間。 「さぁ〜、おいで」 俊彦が、立ち上がった。 私は …後ろに下がった。 バシッ! 「あんたじゃ駄目でしょ!」 俊彦の背中を、思い切り叩いたその女性は… 「瞳(ひとみ)さん」 カメラ屋の看板娘で、この団体でリーダー格の永島(ながしま)瞳さんだった。 前へ |次へ |
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