《MUMEI》
燃えあがるフレア
カオリちゃんは髪をまとめていたパレッタを外した。


栗色のロングヘアが、ハラリと振りほどかれる…。


「ねぇ、磯野くん……」


「なんだい…?」


「もっとキツイお酒が飲みたいわ…」


小悪魔のような視線が僕の心を弄ぶ…。


「おいおい、カオリちゃん…」


「ちゃん付けはヤメて…。」


彼女は僕の心配を遮り、ロングカクテルのグラスを指で撫で始めた。

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