《MUMEI》

「や…… も、 気が……済んだろ?」

息がしにくい。
乙矢の摘み方がゆっくりで、ジンジンさせた。

「乙矢ばっかり狡い……」

七生が吐息をかける。
乙矢に気を取られて忘れていたが、ベルトを緩めてきていた。

「馬鹿ァ!」

相変わらず手が早い。
乙矢のせいであまり大丈夫でないのに……。


二人とも、手慣れた弄り方をする。

「ドコで そんなの覚えた……この色男共……!」

二人は何が可笑しいのか堪え笑いをする。


「可愛いなあ ちくしょ…………」

七生の手の侵食が強くなる。

「 ……ン」

掠れた高音で鳴いてしまった。

「嫉妬だね、二郎。嬉しいな……」

乙矢は俺の喉元を優しく嘗める。

「二郎は俺に嫉妬したの!」

内股まで指が流れて爪先に力が入る。

「自惚れんな!俺はこれっぽっちもそんなこと考えて無い……っ て、ば
嫉妬だってしていなければ感じてだっていな……ッア!」

七生は下着の中からだんだん核心に近付いてく。
これ以上意識させるな。

「七生……やり過ぎじゃない?」

乙矢だってやり過ぎだ、顔を腹に埋めて脇腹を嘗めてくる。

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