《MUMEI》 和馬のメモに、そう書いてあったから。 うまくできたかはわからないが… 「わ…」 ? 「わかったよ!蝶子ちゃんがそこまで言うなら… 俺だけが頼りなんて、もう、蝶子ちゃんは可愛いんだから!」 「キャッ!」 俊彦が、私に抱きついてきた。 「見事に操られてるわね…」 一部始終目撃していた咲子さんが呟いた。 「ちょ…俊彦、離れてよ!」 「照れなくていいんだよ〜!」 (照れて無いから!) 「限定版の為だ」 孝太が囁く。 (いやいや!) CDの為に自分を捧げる気にはなれなかった。 …調子にのった俊彦が、私の太ももに触れた。 ビクッ! 「蝶子…ちゃん?」 腕の中で暴れていた私の変化に、俊彦が気付いた。 「離して…」 私は青ざめ、震えながら小声で訴えた。 「俊彦!」 「「この馬鹿!」」 私の変化に気付いた春樹さんと祐介さんと勇さんが、私から俊彦を引き離した。 「? おい」 「触っちゃ駄目!」 孝太に向かって叫んだのは、私ではなく 瞳さんだった。 「こっちへ」 薫子さんが私をカウンターからテーブルの方に避難させた。 前へ |次へ |
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