《MUMEI》 *宿命*「‥‥‥‥‥‥」 「お嬢様」 扉の向こうから紫堂の声がして、瑠果はビクッと肩を上げた。 「そ、その呼び方はめう止せ」 「ほな、瑠果でええんか?」 「構わん」 「さっきは──‥いきなり言うてもうて悪かったな」 「いや、おあいこだ。私も動転してしまったからな‥」 「瑠果」 「?」 「オレの命令聞いてくれるか?──めっさ大事な事やねんけど」 「まだあるのか‥」 瑠果は呆れたように大きくため息をついた。 第一執事が命令するなど無礼にも程がある、と瑠果は思う。 だがどうしても、彼女はこの執事に逆らう事は出来ない。 宿命であるかのように、絶対服従を余儀なくされてしまうのである。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |