《MUMEI》
シドニー
バイトが終わって更衣室でリナさんからシドニーの本やら資料やらを見せられた。


「す、すごい・・・」


たしかにリナさんが騒ぐだけのことはある。


「そうやろ〜。これが年越しやで!めっちゃ良くない???」


「うん!すっごい良いかもぉー。いいなぁ〜。私も行ってみたぁーい!!」


さっきまで全く興味のなかったシドニーだが、一瞬でどうしても行きたい場所になった。


「リナさんは異国の地で綺麗な花火を見ながらお祭り気分で年越しかぁ・・・」


「羨ましいやろ?」


「悔しいけど・・・羨ましいぃぃぃ。でも、どうせ女友達と行くんでしょ?」


「ギクッ!ばれた?それが彼氏やったら完璧やってんけど。。。」


彼氏とシドニーで年越し・・・
鈴木とシドニーで・・・


!?


鈴木とシドニー!!!


って、行けるわけないか。
お金もないし。


「今から手配しても遅いよね・・・」


「美樹子さん、まさか行く気になった?」


「いや、行きたいけど・・・無理だなぁって思ってさ。」


はぁ〜。ロマンチックな年越しなんだろうなぁ・・・
シドニーは・・・

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