《MUMEI》

バイバイって・・・何?


え?お別れ?


まさかねぇ〜・・・


・・・・・・。


ちょっと心配だし・・



などと自分に言い訳をしながら、急いで靴を履いて鈴木を追いかける。


マンションの一階につくと鈴木はちょうどバイクのエンジンをかけるところだった。


「ちょっと待って!」


鈴木は相変わらず怒って無視してヘルメットを被ろうとする。


「ちょっと待ってって言ってるでしょ!」


鈴木の腕を無理やりつかんで、ヘルメットを被らせないようにした。


「やめろよ!危ねぇだろっ」


鈴木が珍しく声を荒げながら私の手を振り払った。


「だって、待ってって言ったのに待たないから・・・」


「お前とはもう話すことはない!」


ピシャリと言われた。


「それ、別れるってこと?」


「その方がシドニーに行きやすいんじゃねぇの?」


ムカツクぅーーーー


「何よその言い方!シドニーを理由にして別れ話もロクにしないで、そんな別れ方、絶対に認めないから!」


「知るかっ!」


そう言って鈴木はバイクに乗って帰って行ってしまった。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫