《MUMEI》

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バーを後にしたエレベーターの中で――…


―…彼女の腕が僕の背に回る…。


僕は、息が詰まるような長いキスで彼女の唇を塞いでいた。



絡みつく舌…



荒らぶる吐息…



ねっとりと、糸をひくように…



二人の唇は、ようやく解かれた…



彼女は紅潮した表情で僕の胸に甘えてくる…。


「もぅ………拒めないの知ってる癖に…」


「ふふ……拒む気が無いのも知ってるさ…」


「ウフ……磯野くんたら…

…意地悪ね…?」



僕は強引にカオリちゃんを抱き寄せて、再び口づけを浴びせる…。

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