《MUMEI》
ささやかな幸せ?
「あ〜ん!!」
・・・・
ズガン!!
うん、「無銘」を使いこなせるようになってきている。
アイズは手を伸ばした姿勢で硬直している。
「な・・なにやってるんですか!!いきなり刀で斬り・・ってあれ?」
「「無銘・衝打」衝撃で相手を吹っ飛ばすから斬れはしないよ。」
「無銘」の澄ました声。
「手が滑った。」
一応弁解しておく。
決してバカ、みたいにボンカーが口を開けてるのに腹が立って殴り飛ばした訳ではない・・ハズだ。
「・・・式夜さん、最近ストレスでも溜まってるんですか?」
本気で心配されている・・そこまで滅茶苦茶な事をしたかな・・
「そんな・・事は無いと思う。多少・・不満があると言えばあるけど・・ソレくらいは。」
「無理しちゃダメですよ。相談事なら私に・・って私じゃ頼りになりませんね。」
てへへ・・と頭を掻きながらクッキーを頬張る。
やれやれ、年下のアイズに心配させていては主人・・はともかく、ハンドさんに申し訳ない。
「大丈夫、アイズが持って来てくれるお菓子があれば、後100年は頑張れる。」
できるだけ優しく微笑んだつもりなんだけど・・アイズが固まってる。
主人みたいには笑えないのかなぁ・・
「・・100年もたったらお婆ちゃんになっちゃいますよ?」
あ・・私なりの冗談はスルーされてしまった。
「それくらい頑張れるって言いたかったんだけど・・慣れない事はするものじゃ無いですね。」
ちょっと悲しいものがある。
「いや、今の式夜ちゃんは俺の中での好感度が急上昇中!!」
台無しだ。
なんで、私のささやかな幸せの邪魔をするんだこのバカは・・
バタン!!
ドアが勢い良く開けられ・・目の前に立っていたバカが倒れたが、天罰だろう。
「式夜団長代理!!またエミさんが・・」
「暴れてるんだな・・すぐ行く。」
部屋に入って来たのは守護騎士。
やれやれ・・ゆっくり休みでも取りたい。
「行って来るね。」
アイズに振り返って、手を振る。
「はい、お仕事頑張ってください!!」
アイズは元気一杯に送り出してくれた。

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