《MUMEI》

「まずは、飯食わない?」

和馬は話を反らした。


今日の和馬は、珍しく孝太と同じ白いYシャツに黒いパンツを履いていた。


ただし、キッチリ着こなす孝太と違い、Yシャツのボタンは二つ外しているし、ベルトのバックルも凝ったデザインだった。


何より、和馬はアクセサリーを好んで付けていた。

今日も、指輪・腕輪・ピアス・ネックレスを複数付けている。


それから、和馬の特徴は、柔らかそうな茶髪と…


「ね? 行こうよ。俺、待ちくたびれちゃった」


和馬はサングラスを外して、私に笑顔を向けた。


その瞳は、グレーがかった青だった。


「あれ?驚いてくれないの?」


「…別に、カラーコンタクトなんて、珍しくないですし」


和馬は生粋の日本人だ。


この色は、カラーコンタクトの色だった。


「…雅彦から聞きました」

『シューズクラブ』でスニーカーを買った時、和馬の瞳はブラウンだった。


ちなみに、初めて会った時は黒だった。


「気分に合わせて瞳の色を変えるって」


「つまんないな〜、驚いて欲しかったのに」


「いいから、飯行くぞ」


孝太が呆れたような顔をして、歩き出した。

私も後に続いた

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